日記

日本礼賛!な本を読んだ。日本の凄さよりもアメリカ人の視点が勉強になった

最近はやや落ち着いてきた気がしますが、日本礼賛のテレビ番組がやたらと多いですね。特に日本の料理や日本製品に関するものが多かったです。それと、若干日本人のマナーの良さを取り上げていた番組もありました。

もうすでに見飽きた感があり、その手の番組が映ってもチャンネルを変えてしまうようになりました。

図書館でサラリと読めそうな面白そうな本を探していたら、こんなものを発見。

akamo

タイトルの付け方が今風ですね^^;

「○●の理由いくつ」興味をそそる長いタイトルに、数字を付けたもの。ネットでもリアル店舗の新刊コーナー(特に自己啓発系のエンドコーナー)でよく見かけそうなタイトルです。

ざっくり言うと二つに分かれています。

  1. 作者(マックス桐島氏)のアメリカの友人が来日した時の日本体験談。日本の感想。
  2. 日本文化の素晴らしさを紹介。

日本嫌いのアメリカ人がたった7日間で日本を大好きになった理由

作者のアメリカ人の友人家族が来日

作者は高校時代に映画製作を夢見て渡米。ハリウッド俳優、映画製作に携わっていました。
彼の友人のニックは妻、長男、長女を伴って日本に遊びにやってきます。ハリウッドの映画業界で長年共に働いてきた人間で、文化的素養も高く、アメリカ社会でも中の上の階層に位置しているような人です。
しかし、ニックさんは

「日本人は何を考えているか不明」
「日本人で気に入ったのはマックス(作者)だけ」

といってはばからない日本人に対しては否定的なイメージを持ったカリフォルニア移民。日本人のおかしなところ、非効率なところ、アメリカとの違いを批判的な視線で見ながらも、家族やマックス氏の解説で徐々に日本の良さを理解し、日本を徐々に好きになっていくパターンのお話です。

日本製品ヨイショのテレビ番組をよりも面白かったのは、日本人の精神面での良さが書かれていたことと、アメリカ人の視点がよく書かれていたことです。私自身アメリカにも行ったことがないし、留学中にアメリカ人数人と知り合っただけなので、彼らの視点が新鮮でした。

 

ニックの娘さん(中学生)の洞察力が鋭いっ!

日本のエレベーターに乗った時、中学生の娘さんが、

「エレベーターを降りる時に人に咲きを譲られたのなんて生まれて初めて。アメリカ人だったら絶対に我先に降りている

アメリカはDQNも多いけど、基本的に公共の場ではマナー良くしていると思ったので、我先に降りるとは意外でした。新宿や六本木のラッシュ時でも、日本は急ぐ人のために右側を空けているのことにも驚いていました。欧米人は「言われて初めてやる」という個人主義でものやことを進めるけれど、「日本人は言われなくても」という昔ながらの無言の秩序が社会常識となっている。

「(こんな習慣は)アメリカだと社会主義的なイメージだから誰もしないだろうけど」高校生の息子談

「電車の乗り降りでも大勢の人が殺到すること無く、乗客を先におろしてから乗り込むのがすごい。割り込みする人がいない。信じられない」ニックの奥様

「3.11の東日本大震災の時に理路整然と並んでいる姿を見た時は、随分洗脳された国民だと思った」ニック

一方、アメリカでは人種差別的な事件、ハリケーンなどの天災に襲われると住民が暴徒化し、店を襲って略奪するケースが多い。国民の考え方が日本と全く違う。

中学生の娘は、

結局国民の心の豊かさが、いざという時の態度や対処に現れる。日本人は心が豊か、アメリカ人の方が心が貧しいと思える…」

中学生の娘はとてもしっかりしていて、観察眼もあり、良いところもしっかり見ています。コメントを見る限り、賢いし思った事をきちんと表現できるのはアメリカの教育なのかなあと感心。

奥様も日本のラッシュアワー、駅構内での日本人の様子を見て、

「満員電車の乗客、エレベーター、エスカレーターの中、有名店に並ぶ行列。どれをとっても日本人は絶妙にバランスをとるのがうまい。でも、外国人はアンバランスを前提として生きている。だって、個人主義そのものが不均衡を奨励する発想だもの

アンバランスを前提として生きている・・・。この一言は心に刺さりました。外国に行って我先に行動する人たちを見て、「なんて駄目なんだろう」「もっとマナーを守れよ」「民度低くね!?」などと思っていましたが、アンバランスが前提にあれば納得できます。先進国アメリカでさえアンバランス。教育や押し付けでは絶対に修正できないでしょうな。割り込みなんて当たり前だそうですし。

 

東日本大震災の被災地で思う

ニックたちが気仙沼を訪ね、ホテルで行きずりの初老の男性が、東日本大震災当時アメリカ軍が馳せ参じてくれたことを涙ながらに感謝。その姿を見たニックも涙ぐみました。作者のマックス氏はそれを見て、「日本人は感謝を忘れない民族。自分たちが辛いときに手を差し伸べてくれた人たちの恩義は一生忘れない」と伝えましたが、

「僕達夫婦はあの作戦をニュースで見たとき、あれは、アメリカ政府が日本側に日米同盟の強さを再認識させ、中国、ロシア、朝鮮に対してアメリカの存在感を示すためにやったと思ってた。だから、アメリカ人として感謝されても、素直に喜べないんだ・・・」

 

ええ・・・。

なんか世知辛い見方だなあ・・・。
私は(単純なので)アメリカの支援にはありがたいと思いました。外国で大きな災害が起こったときに、自衛隊が駆けつけて行くのは人道支援と素直に思っていて、後々被災国との絆が深まるとかは考えましたが、国益に関しては考えていませんでした。

自衛隊偉い!よくやったと素直に感心しただけです。穿った見方ができないです。

ニックの奥様も、

欧米じゃ逆のことが多いけど、きっと日本人は、倒れている人のお腹をキックするようなことは絶対にしないのよ。倒れている人を見かけたら見知らぬ人でも手を差し伸べる。だから、他の人にしてもらった恩を忘れないんだと思う」

欧米では・・・逆のことが多いのか・・・。
お腹も蹴るのか・・・。全てではないけれど、アメリカってこういうところがあるんだろうなあ。

陸前高田市にある奇跡の一本松を見たときのニックの娘さんの感想がすばらしかったです。震災後も瓦礫の中にぽつんと立っている一本松。東北人の精神力を表すかのような佇まいに、

「地元の人は必ず帰ってくる。建物やインフラよりも、きっと地元の人々のほうが戻りが早い」

何故かと言うと、

「だって、ルイジアナのハリケーン・カトリーナの災害、オクラホマの大竜巻災害のときは、地元住民の人たちは、悲惨な思い出とつながる建物や場所を瓦礫とまるごと撤去しようとした。でも、ここの人たちはあえてその辛い思い出を象徴するモニュメントを残したのよ!」

さらに、

「この一本松は、生き残ったからミラクルじゃなくて、命を絶たれた後も人々にホープを与え続けるからミラクルなんだね」

くっ…!

中学生でここまで深く…熱く思っているとは…感激してしまう感想でした。
彼女の視点がいつも鋭く、相手の立場や、全く違った角度から見解を述べることができ、カッチカチのニックや勝ち気の兄よりも器量は遥かにある感じがしました。

こういう娘がどんどん日本に留学したりすればいいのにな。

 

これ以上書くとネタバレになってしまうのでこのへんで^^;
後は日本人の精神性の素晴らしさについて書かれています。技術や製品の凄さではなく、精神性の素晴らしさを改めて客観的に見ると自信につながります。この点、日本製品ヨイショのテレビ番組よりも全然良いです。

アメリカ人の発想が垣間見れたのが一番楽しかったです。
私の場合、アメリカといったら、ハリウッド映画です。映画やドラマの中に出てくるアメリカの物資的な豊かさ、社交場ではマナーにうるさく、国民の民度も高い、自由な発想で物事を考え開放的、チャレンジ精神旺盛、全てにおいて進んだ国…と小さい頃は思っていました。
アメリカと言っても多民族だし、貧困層からセレブまで様々です。
木曜洋画劇場や金曜ロードショーというフィルターを通してしかアメリカを知らない知識不足の自分にとっては、知識階級のアメリカ人の価値観が垣間見れたこの本は非常にためになりましたっ!

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